看護のはなし

仕事を辞めること

何かを始めると最後までしないといけない
そう思っていた

学校を卒業して就職した職場
退職するまでそこで働くのが普通だと

9年目に仕事をやめたとき
中途半端にやめるのだと後ろめたかった

今考えれば他にも方法はあったのかもしれない
その時は他の選択肢を知らなかった

中規模の病院に勤めていた私は出産のため産休をとっていた
育休途中で職場の人員不足のため仕事にでないかと声がかかった

最初は昼間だけの勤務だった
夜泣きのひどい子どもの世話を自分ができるなら大丈夫だと思った
実際働き出すと夜勤を頼まれたり研究をさせられたりと
家庭と仕事との両立の難しい状況になっていった

断れない性格が仇となった
家庭での締め付けも厳しくなった

夜間保育のある環境であったが家族がそれを許さなかった
日勤だけの仕事形態は認められていなかった

「子供が可哀想でしょ」
義母に毎日言われていた

毎日離れたくないと泣く子どもを預けて仕事に出ていた
後ろ髪を引かれる思いで
「お母さんは貴方(子ども)より仕事が大切なのよ」
子どもに向かってそう言っている言葉を何度も聞いた

保育所を使うことが悪い事
私が仕事をすることは我儘
そんな風に考えるようになった

仕事に行っても
家に居ても
ずっと責められているような気持ちだった
本心を話して相談できる相手がいなかった
自分の我儘だから

耐えられなくなって仕事を辞める決意をした

家族はそれを喜んだ
家庭が和やかになった事ホッとした反面
心の中にモヤモヤが残った
小さい頃からなりたかった看護師を否定されたように感じた

仕事をやめてしばらくは家で過ごした
家事をしたり子供のことをしたり
それに不満はなかった
子供とゆったり過ごす中で
成長や温もりを感じた
子供と過ごす中で癒されていた

1ヶ月すぎると義母から「働きに出たら」
と言われるようになった
私のモヤモヤは日々溜まっていった

辞めろと言ったり仕事をしろと言ったり
理不尽だと思った

夫は私が自分で決めればいいと言った
どんな気持ちで私が仕事を辞めたか
気持ちを分かって欲しいだけだった
分かってくれる人は居ないんだ
本心を相談しても無駄だと思った

仕事を辞めたこと自体に後悔はしていない

辞めたからこそ経験したことや学んだことがあった
辞めたからこそ知り合えた人がいた
辞めたからこそ転職することの良さを知った

その時は辛かった経験も私にとっての財産になる

ただ、今思うのは「選択肢がもっとあったら」「相談できる人が居たら」と言うこと

もし貴方が仕事を辞めなければならない環境にあるなら
その経験はいつか貴方の糧になる

視野を広げるきっかけになる

経験してきたこと学んだことは
着実に貴方の身になっている

でも、もし悲しい思いをしているのなら
どんな選択肢があるか知って欲しい
気持ちを溜め込まないで相談して欲しい

その時経験が悲しい思いにならないように
前を向いた選択となるように

貴方の仕事を辞めるという選択が
素敵な未来に繋がりますように

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